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Blog 02/13/2018 Nobuyuki Komatsu

金メダルは誰の手に!? IoT通信を支える注目テクノロジー競争の行方は?

こんにちは、Nissho Electronics USAの小松です。 日本が寒波真っ最中のなか、米国西海岸サンノゼは2月だというのに既に昼間は20度を超えています。天候に恵まれた過ごしやすい日が続く一方で、日差しは非常に強く、先日ついにサングラスを購入しました。 さて、平昌オリンピックが先週開幕しましたが、スポーツ業界のみならず、ICTビジネス界でもIoT通信をとりまく代表者競争が日々盛り上がりを見せています。今回は、そんな無線通信をとりまく注目テクノロジーの行方を考察してみたいと思います。 IoTデバイスの出荷台数が80億を突破、本格的なIoT時代へ Gartnerによれば、2017年時点でインターネットに接続されたデバイス数は80億*を突破しました。期待を裏切らないこの数値は、2020年時点で約250億に到達すると言われており、IoTをとりまくビジネスはいよいよ本格的な盛り上がりを見せ始めています。 このIoTデバイス増の流れがある中で押さえておきたいのが、それらをつなぐ「通信技術」ではないでしょうか。以前より活発な議論が進められているこの通信技術に関する議論の行方が今後どうなるのか、各テクノロジーから考察していきましょう。 *各社算出基準によりデバイス数にはばらつきは見られるため、あくまで参考値としてご理解ください。 関連記事:ガートナー、2018年度版ITトレンド10大予測 着々と進化を続ける「WiFi」 WiFiでは、「WiFi HaLow(802.11ah)」と「HEW(High Efficiency WiFi)(802.11ax)」が注目すべき技術でしょう。WiFi対応デバイス出荷台数は既に累計数十億台となっています。言うまでもありませんが、そもそもの市場からの期待値は高く、既にWiFiメーカー各社はIoTデバイス間通信を意識した機能群サポートを発表しています。 スループットに定評のあったWiFIが、従来課題になっていた消費電力削減や、端末密度の高いIoTデバイス間通信効率を高めることで、WiFiビジネスの可能性を大いに広げるでしょう。業界団体であるWiFiアライアンスにより先日発表された、次世代のWiFi暗号通信プロトコルの新規格「WPA3」リリース発表においても、IoTを意識したセキュリティ強化が謳われています。WiFi側の機能実装に加えて、IoTデバイス側仕様をいかに早く新技術に対応させるかが今後の通信技術競争の鍵を握りそうです。 テクノロジー推進役の活躍が「LPWA」成功の鍵を握る Low Power Wide Area(LPWA)における注目テクノロジーでは、「SigFox」、「LoRa」、「NB-IoT」を取り上げたいと思います LPWAは周波数として1GHzに満たないサブギガ帯を利用し、低消費電力かつ長距離通信を実現しますが、この3つのテクノロジーはいずれも似通っています。そのため、成功の鍵を握るのは各テクノロジーを推進するプレイヤーではないでしょうか。 「SigFox」は、フランス SigFox社が展開する独自仕様のグローバルIoTネットワークとして既に世界数十ヵ国で提供され、日本では京セラココミュニケーションシステムが唯一の「SigFox」事業者としてサービス展開を進めています。その独自仕様性と、提供事業者がSigFox社を除くと各国1社唯一となる点が興味深いところです。 一方、「LoRa」は、オープン仕様ゆえアライアンスも活発でプレイヤーが様々であり、日本国内でも各社で「LoRa」対応製品開発やサービス検討が進んでいます。モジュールやチップセットメーカーが多い「日本ならでは」に期待がもてるテクノロジーですが、対応製品開発の遅延は国内浸透に大きく影響する可能性があります。また、順調に進めば日本から海外への輸出事業を通した、例えば、同技術に積極的なComcast(米)、Tata(印)、Orange(仏)、SK telecom(韓)等とのグローバルなエコシステム形成がより進むかもしれません。 LTEテクノロジーをベースとした「NB(Narrow Band)-IoT」は、今回取り上げた3つの中で唯一無線局免許取得が必要であるがゆえに、自ずと携帯事業者のような専門家がサービスを牽引することになります。海外組ではVerizonやT-Mobile(米)、Deutsche Telekom(独)が積極的であり、日本でも大手携帯事業者3社が検討を進めています。NokiaやEricsson等、大手製品プロバイダの取組にも注目したいところです。 ダークホースとしての「Bluetooth」にも期待 個人的に注目しているのが「Bluetooth」です。特にここしばらくは、「BLE(Bluetooth Low Energy)」というキーワードを良く目にするかもしれません。 Bluetoothと言えば、ヘッドフォンやオーディオプレーヤー等、消費者向けデジタル機器の近距離無線通信の立役者になっていることは広く知られていることかと思います。1:1通信という制限はありつつも、無意識のうちにBluetoothの恩恵を被っている方は読者の皆様の中にも多いかもしれません。 BluetoothはWiFiと並び、既に何十億もの対応デバイスが世界各国で利用されています。このように既に慣れ親しまれた「枯れた」テクノロジーであることから、新たなIoTデバイス側への機能実装も容易に実現できる可能性があります。 最新仕様であるBluetooth第5世代バージョンにより、Bluetoothメッシュと呼ばれる考え方も追加されました。これにより、従来からの低消費電力実現は勿論のこと、Bluetoothデバイス同士が1:1のPoint to Pointで接続されるのではなく、Point to Multipoint さらにはMultipoint to Multipointで接続され、網目状につながることにより通信エリアをより広範囲に拡大することが可能です。 従来の消費者ニーズのみならず、企業ニーズを満たすテクノロジーとして発展する可能性があり、新たなサービスの可能性を予感させてくれます。 おわりに 今回はIoTに必要とされる通信テクノロジーに関して寄稿させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。過去より議論されているものもあり、ご存知の方には退屈だったかもしれません。今回取り上げたテクノロジー以外にも続々と新たなテクノロジーが生まれていますが、少しでもご興味を持って頂ける皆様には、平昌オリンピックの傍ら(オリンピックのようにすぐに決着はつきませんが。。)本ブログにて引き続き今後のテクノロジー競争に注目頂けると幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。Nissho Electronics USAではシリコンバレーから旬な最新情報を提供しています。 こんなことを調べてほしい!などございましたら問い合わせページよりぜひご連絡ください。

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Blog 02/05/2018 Yukiharu Matsugu

2018年春に参加すべきイベント情報 ~アメリカ 2018年4月-6月

こんにちは。Nissho Electronics USAの真次です。Nissho Electronics USAが拠点を構えるここシリコンバレーを中心に、アメリカ全土では大小多くの技術関連イベントが開催され、テクノロジーリーダー達による情報交換が活発に行われています。 今回は2018年4月-6月に開催されるイベントを選りすぐってご紹介します。 4月 NAB Show 2018年4月7 日~4月12日 場所:Las Vegas, NV 全米放送事業者協会が主催する世界最大の放送機器展示会。放送、デジタルメディア、エンターテイメント業界関係者が一堂に会するイベントです。毎年10万人を超える来場者が集い、盛況を見せます。放送機器は高い専門性が必要な印象がありますが、昨今のデジタル化に伴いITとの連携が進み、このイベントもIT系イベントの1つという位置付けになりつつあります。昨年は8K、VR/AR、ソフトウェア化、ドローンなどがフォーカスされていましたが、今年はどのようなものが展示されるのか楽しみです。 RSA Conference 2018 2018年4月16日~4月20日 場所:San Francisco, CA 1991年から開催されているセキュリティ業界最大のイベント。元々は暗号化技術者が集まり最新のノウハウ・成果を共有する場でしたが、年々規模が大きくなり、今では情報セキュリティ全般の最新技術の展示、ネットワーキング、商談の場になっています。 今日のデジタルワールドにおいてセキュリティが語られない日はないほど、その重要性は増しています。このRSA Conferenceは最新の脅威・対策を学ぶには最適なイベントで、セキュリティ関係のベンダーに会いたい方にもおすすめです。 Artificial Intelligence Conference 2018 2018年4月30日~5月2日 場所:New York, NY 今やIT業界最大の注目の的であるAIは、昨年度過去最大の投資を集めました。テクノロジー、エコシステムの面でもビジネスモデルの面でもようやく実用化が進んでいます。本イベントでは毎年多くのユースケースが発表されるので、AIトレンドを把握されたい方におすすめです。 5月 Finovate Spring 2018年5月8日~5月11日 場所:Santa Clara, CA 今日Fintechという言葉を目にしない日はないぐらい注目度は高く、年々このイベントへの参加者は増えています。特に日本企業からの関心は高く、参加者の1割以上が実は日本人です。本イベントは、多くのスタートアップ企業が5分程度でデモを行う形式で進められていくため、様々な分野のスタートアップを一度に把握することができます。 Internet of Things World 2018年5月14日~5月17日 場所:Santa Clara, CA 2014年から始まった世界最大のIoTカンファレンス。IoTのユーザー、ベンダー、サービスプロバイダーが一堂に会します。IoTは産業ごとに様々なユースケースがあり、テクノロジーだけを追っても、新たなビジネスモデルの創出は難しいと言われています。このイベントでは、産業、テクノロジー毎にセッションが設けられているため、網羅的にIoTのトレンドを把握するのに最適です。 Consensus2018 2018年5月14日~5月16日 場所:New York, NY 今年で4年目を迎えるConsensusでは、Blockchainと仮想通貨の最新情報が得られます。2017年は2700人の参加でしたが、今年はそれよりも多く4000人以上の参加が見込まれています。昨年、Toyota R&IがMITと協力してBlockchainを活用した自動運転、シェアリングデータの共同研究を開始することを発表する等大きな動きが見られましたが、今年はどんな発表があるのでしょうか。Ethereum Allianceなど各アライアンスのアップデートもあるので、Blockchain、仮想通貨の今後を知りたい方におすすめです。 6月 Dockercon18 2017年6 月12日~6月15日 場所:San Francisco, CA Docker社主催のコミュニティイベントであるこのイベントも、年々規模を拡大しています。今年はサンフランシスコでの開催です。近年では「コンテナ=Docker」と言っても過言ではないぐらいの存在感を持つDocker社ですが、彼らの今後の戦略や彼らを取り巻くエコシステムについて把握するには非常に良いイベントです。特にオーケストレーター周りの最新情報が注目です。非常に人気のあるイベントなのでお早目の申し込みをご検討ください。 以上になります。最後までお読みいただきありがとうございました。ご質問はこちらの質問フォームからお気軽にご連絡ください。 Nissho Electronics USAではシリコンバレーから旬な最新情報を提供しています。こんなことを調べてほしい!などございましたらぜひご連絡ください。

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Blog 01/29/2018 Team Nelco

最新投資動向とCES2018から見る自動車関連テクノロジーの行方

自動車業界は変革期にさしかかっており、EV化やカーシェアリングの普及、さらにAIの進化に伴う自動運転技術の開発が進んでいます。まだ日本ではあまり実感しませんが、自動車技術系のスタートアップが多く集まるサンフランシスコではUberやLyftの出現でタクシーに乗る機会が減り、カーシェアリングが数年前から移動手段の主流となっています。またEV業界を牽引するTeslaの自動車には、すでに自動運転モードが実装されており、「広い直線の道路において」などの条件がつきますが、その技術は実際に使用されています。 今回はそんな自動車業界の動向を最新の投資事情、さらに先日開催されたばかりのCES 2018から見ていきたいと思います。 関連記事:ICT担当者がCES2018視察で感じたビジネスチャンス 投資が活発化する自動車技術系スタートアップ 近年自動車関連企業への投資は大きな盛り上がりを見せています。CB Insightsの調査によると、自動車技術分野の投資家は、2017年11月時点ですでに149件以上の取引を行っており、2016年の記録を大幅に上回っています。ドル資金調達は、前年の過去最高1.5億ドルから2倍以上となりました。 Autonomy Is Driving A Surge Of Auto Tech Investment また、中国で初めて自動運転事業に参入した巨大ネット企業であるBaidu(百度)は、車の製造は行わず、自動運転技術関連ソフトウェアの開発・提供を行っています。投資に関しても中国国内の電気自動車メーカーのNextEVに1億ドル以上の巨額投資を行う等、積極的な姿勢を見せています。 日本では、ソフトバンクが配車サービス最大手の『Uber』、中古車販売のポータルサイトを運営するドイツの『AUTO1』、インドの配車アプリ大手『Ola』、自動運転技術のスタートアップ『Nauto』、東南アジアを中心に配車サービスを展開するUberの競合企業『Grab』、中国配車サービス最大手『滴滴出行』、自動運転向けレーダー技術開発の『Innoviz Technologies』等に出資を行っています。 今までのソフトバンクの出資先20社以上を見ても自動車関連企業への投資が多く見られます。自動車技術への投資は世界レベルで盛んに行われているのです。 このように様々な自動車関連企業が巨大資本のサポートを受けているわけですが、その中でも特に注目が期待される企業は、今月始めにラスベガスで行われた米国最大のコンシューマーエレクトロニクス関連の展示会「CES 2018」でも大きな存在感を示していました。CESはかつて家電見本市でしたが、現在はコンシューマーエレクトロニクス関連の展示会になり、自動車産業もEVと自動運転を軸に消費者の生活を大きく変えるテクノロジー分野の一つとして重要視されています。その中で見られた、モビリティーの未来を創る自動車関連企業の最新動向を紹介します。 Toyota e-Palette Concept Toyota unveils e-Palette concept at CES 2018 Toyota e-Palette Conceptは、パートナーにAmazon、Uber、中国の配車アプリ大手DiDiらも名を連ねる大掛かりなコンセプトでした。 e-PaletteはB2Bを想定したEVであり、真四角のデザインが印象的です。e-paletteという名前の由来はその名の通り、パレットから来ており、用途に応じて姿を変えられることをコンセプトとしています。自動運転を前提としたEVのため、車内に運転席はなく、シンプルな空間となっています。 室内をホテル仕様にすれば、ベッドに寝たまま目的地へ移動することが可能になるかもしれません。また、特定の時間帯に合わせ1台の車両を多様な使い道に活用することが可能で、通勤時間にはカーシェアリングのような用途に、通勤時間以外には病院のシャトルバスとして活用することが可能になります。 e-Paletteでは、車両のコントロール、運行管理、カギの管理、稼働状況等がトヨタのクラウドサービスで統合管理されており、車両に関わる部分はトヨタが提供し、自動運転を前提としたサービスは他社と連携するということになっています。トヨタはこのe-Paletteをプラットフォームとして使い、ビジネスプラットフォームの立ち位置を狙っています。そのため、物流関係ではAmazon、ライドシェア関係ではUber等からすでに賛同を得てパートナーとしています。 2020年には一部機能を搭載した車両を東京オリンピック・パラリンピックで活用することが考えられています。 Mercedes Benz、Aptiv / Lyftの自動運転 Weltpremiere des Multimedia-Systems MBUX auf der CES. Mercedes-Benzは、2017年9月にスタートした「インテリジェント・ワールド・ドライブ」プロジェクトの成功を発表しました。 このプロジェクトは、5ヶ月で5つの大陸で自動運転のテスト走行を行うもので、ドイツを出発し、中国、オーストラリア、南アフリカを経由し、ラスベガスのCES 2018会場でゴールしました。このテストで得られたデータは、今後の自動運転技術のために活用されるとのことです。 このテスト車両は会場に展示され、多くの来場者に注目されました。 Aptiv and Lyft’s Vegas self-driving pilot to expand beyond CES 一方、自動運転技術を開発するAptivと配車サービスを提供するLyftは、CES 2018の期間中に会場を含む公道でLyftユーザー向けに自動運転タクシーサービスを提供しました。完全自動運転ではありましたが、車両には安全のためにドライバーが同乗していました。 使用されたBMW 5シリーズをベースとした自動車は、自動運転に必要な各種センサーを車体に一体化して取り付けており、一般的な自動車と変わらない外観でした。Aptivは、2019年には自動運転車の生産を開始する計画です。 新興EVブランド BYTON CES 2018: all-electric Byton SUV set to rival Tesla’s Model X 中国の企業であるBYTONは、元BMWのドイツ人2人により創業されました。ドイツのカーテクノロジーとブランディング手法、アメリカ・シリコンバレーのIT技術、中国の政治力と資金力を活用した「いいとこ取り」のビジネスモデルで、見事な水平分業体制を行っています。 展示されたコンセプトカーは運転手の識別用の顔認証システムからAmazonのAIアシスタントであるAlexaに至るまでITトレンド技術を多く搭載しており、Teslaのライバル車になると言われています。現在の自動運転の区分はレベル3(一部のみドライバーが対応するレベル)ですが、2020年までにレベル4の完全自動走行にする予定です。 価格帯においても一番低価格モデルが約500万円からということで、競合TeslaのモデルXの約半分の値段に設定されています。こういったスタートアップの出現が自動車業界の技術促進と価格競争に繋がることでしょう。 まとめ 今回CES 2018で出展していたほとんどの企業が、EVや自動運転技術を前提としたコンセプトを発表しており、すでに最新技術を活用した新たなビジネスモデルの設計が進んでいます。また、多くの企業が2020年頃を技術開発のタイムラインとして1つの目標としており、投資も盛んなことから実現可能確率は非常に高いと予想されます。 2020年を境に自動車企業の革新が始まり、今後自動車企業とIT企業の相互依存関係が高まることでしょう。自動車関連テクノロジーには今後も目が離せません。 Nissho Electronics USAではシリコンバレーから旬な最新情報を提供しています。こんなことを調べてほしい!などございましたら、こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。日商エレクトロニクスのサービスの詳細はこちらから。

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Blog 01/21/2018 Tatsuo Hosoi

ICT担当者がCES2018視察で感じたビジネスチャンス

こんにちは。Nissho Electronics USA細井です。 今年も米国のコンピュター業界は1月9日~12日(メディアの方々向けには1月6日~12日)に米国ラスベガスで開催されたCES(Consumer Electronics Show)で幕を開けました。CES2018は、その名の通り“消費者家電見本市“であるのですが、自動運転・AI・IoT・Drone・ロボティクスなどのキーワードにあるテクノロジーの進化と普及もあって、ここ数年でICT業界のプレイヤー達も積極的に出展しています。そのため、ICT業界が今後の消費者市場動向を知る上でもCESの位置づけはその重要度を増し、視察者も増加しています。 今年は自動車メーカー・バイクメーカーなどが大きなブースで出展し、ここは「モーターショーですか?」と見間違えてしまうかのような会場でした。自動者・家電・ロボットなどの視点からのレポートはご専門の方々にお任せするとして、私からは99%消費者家電業界素人&ICT目線で視察し直観的に感じた印象をまとめます。 今回ご紹介するのは以下の3つです。 ライフスタイル・チェンジ スタートアップエリアでのフランスブースの積極的出展 電力の確保は引き続きの課題 1. ライフスタイル・チェンジを実現するロボット まずは王道の消費者家電分野とICTから。今回私が注目したのは、洗濯した衣類整理にかかる時間短縮に取り組む①Foldimate社と②Seven Dreamers社/ Landroidの2社でした。どちらも乾燥した後の洗濯物を畳む作業を自動化するロボットで、2018年中の市場投入を目指しているとの事です。 ①のFoldimate社は、イノベーションアワードショーケースにも展示されていましたが、ブースでは実機によるデモを行っていました。乾燥後の洗濯物を1枚1枚手動で機械に投入する必要がありますが、畳むスピードの速さと、市場提供想定価格を約$900USドル程度という値段設定で、家庭への普及を容易にしたいというマーケット戦略をとろうとしています。小気味よく動作する様子は、コピー機を前にした作業に似て、乾燥機の横に置いてある風景が根に浮かびます。 Foldimate社の製品 一方、Seven Dreams社は、冷蔵庫の様な大型な製品です。最下段の引き出し上のスペースに洗濯物をまとめて籠に入れると、なんと画像認識技術、AI、ロボティクス、IoT関連の最新技術を駆使し、自動的に1枚1枚形状認識して、畳むだけでなく、予め設定した種別毎(シャツ・ズボンなどの形状や、大人用・子供用といった使用者別)に仕分けして棚に格納する事ができます。生活上のイメージとしては、朝、乾燥機後の洗濯物を投入しタイマー設定すると、帰宅時には仕分け分類されて棚に格納されているという具合です。価格帯ですが、当初は富裕層がターゲットになりそうです。 Seven dreams社の製品Landroid。自動で畳んだ洗濯物が種別毎に仕訳され棚に格納される どちらの製品も特徴があり優劣をつける事はできませんが、私は両製品が共に自動で畳む作業の自動化だけでなく、あくまで“洗濯物を畳む“という日々の時間からの解放を目的としているという事に注目しています。1日が24時間しかないのは我々生活において平等であり、時間の有効活用は人々の生活を豊かにする事(さらにはストレス解消)に繋がります。この2つのロボットも日常生活における家事の時間短縮に貢献し、私たちのライフスタイルを変えていく事が大いに期待できるので、一般家庭に普及すると考えています。 消費者向けの家庭内のロボットでは、iRobot社のルンバのようなお掃除ロボットが普及していますが、その次となる今回は洗濯物の時間に着眼したものでした。今後もライフスタイルを変えるロボット技術動向に注目してみたいです。 2. 勢いに乗るLa French Tech、スタートアップエリアで際立つフランスブース スタートアップエリアを訪れて一瞬、「ここはパリで開催されている見本市に来ているのだっけ?」と勘違いしてしまいそうなくらい、ここではフランスのブースが大勢を占めていました。”French Tech”というエリアだけではなく、フランス国内で区分けしたエリア(パリやその他の都市)もまた別にあり、各地域で積極的に投資している、最新技術を生みだすスタートアップが多数出展していました。フランス政府によるスタートアップ企業活動支援のためのエコシステム「La French Tech」の2億ユーロとも言われている巨額のシードマネー投入の結果が表れていて、国としての勢いを感じます。 もちろん、依然として中国、特に深圳(SHENZHEN)の文字が至るところにありましたが、各ブース似たような製品が多い印象がありました。それに引き換えフランスブースは、裸眼で見れる卓上AR表示装置(Hololamp社)や、ワインが有名な国らしく、各家庭のワインセラーにIoT技術と画像認識技術を組み合わせ、携帯アプリから指定したカテゴリーのワインの場所が分かったり、ストックの不足を知らせたりするアプリケーション(Caveasy社)などユニークさに溢れた出展内容で面白みがありました。私個人としては、フランスのスタートアップ企業とビジネスをした経験がないので、商習慣としての日本での展開などビジネス立ち上げの容易さは理解できていないのですが、今後のスタートアップ企業調査において要注目のエリアである事は間違いなさそうです。 スタートアップエリアで目立ったフランスブース。リージョン別で広いエリアを確保 3. 電力を持ち歩く!電力確保は引き続きの課題 当たり前ですが、CESにて出展されている製品の殆どは電力を使って動きます。大きなものは電気自動車から始まり、ライフログを集める腕時計タイプのセンサー、音楽再生装置、分析するアプリケーションが入るスマートフォン自体も電力が必要です。その電力をどのように共有するのか?またどのように生活に負荷無く持ち運べるか?更に、今後のIoT普及に伴い、各エッジデバイス、センサーへの給電はどのように行うのか?このような課題への解決策は未だに不十分で、これまでは非接触充電装置や、長時間型充電器程度だったと思います。 CES会場でも携帯が充電できるPower Stationに来場者や出展者の人々が集まって人だかりができていましたが、街の充電スポットが人の流れを変え、それがお金の流れを変える事に繋がってくることが今後考えられます。サービス化も含めた社会インフラとしての電力提供が必須になる世界がすぐそこまできているのです。 現状、電力枯渇の不安解消手段においてはポータブルバッテリーを持ち歩く人が多くいますが、それを持ち歩くのが不便だと感じる人もいます。その解決策という視点から、今回ベルト型バッテリーでブース出展していたBattery Belt社に目をつけました。充電器を持ち歩くという行為自体には変わりませんが、一つ視点を変えて「充電器をオシャレに、そしてスマートに持ち歩く」というところに着眼している面白みがあります。これからはUXデザインの時代だと先日の『現地レポート:UX Next 2017』記事でも触れましたが、案外こういったベタな解決策がミレニウム世代の間でしばらく流行るかもしれません。 バッテリーをスマートに持ち歩くがコンセプトのBattery Belt社の展示 CES 2018の視察を終えて:AIとロボットと人々が共存する世界 消費者家電市場に、AIやロボティクスが次々と導入され私たちの生活の身近な存在になってきました。AIが普及するにつれ、「AIが既存の職業を奪う」「AIの採用で人員●●人削減予定」といった若干不安になる見出しを目にするようになり、AIは人類の脅威となるといったコメントも散見されますが、このCESを見学して思った印象は、それらのネガティブな意見はまったく意味の無いものだと気づきました。 古くは産業革命時に蒸気機関が発明され、馬車を運転する御者の職業が車のドライバーに代わり、電話の交換者がPBXに代わったように、我々の生活はAIとロボットと共存する道を模索し、生活を豊かにしてゆく事を目指してゆくのが自然な流れでしょう。その人とAIとロボットが共存する世界を挑戦的なコンセプトとして発表したのがTOYOTAのe-Palettoだったのだと思います。現在の生活にAIが少し支援する、例えばVOICE to TEXTや、コンシェルジュというものではなく、世の中がAI前提の街になる事を意識した未来の街作りがコンセプトとしてあり、車に求めるニーズも嗜好も異なった世界を表現していて面白みがありました。AI前提の世界観から物事を考えますと、また違った発想が生まれてきそうです。 Nissho Electronics USAは上記のようなトレンドを把握の上、来るべきデジタルビジネス時代に備え、様々な観点からシリコンバレーで調査を行い、日商エレクトロニクスと連携し、お客様に対し最適な提案をしてまいります。 お問い合わせフォームより、どうぞお気軽にお問い合わせください。日商エレクトロニクスのサービスの詳細はこちらから。

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Blog 01/15/2018 Team Nelco

2018年に企業が注目したい3つのIoTトレンド

昨年は「IoT元年」と呼ばれ、市場規模も大きな拡大を見せたIoTですが、IHSの調査によれば、すでに世界中で200億台のデバイスが接続されていると推定されています。現に、消費者は既にIoT機器に慣れてきており、例えば日常生活においてApple Watchesを着用し、洗濯洗剤が不足しているときにはAmazon Dashボタンをタップする、といった行動が私たちの自然な生活の一部となりつつあります。 また、テクノロジー関連の研究・分析を行っているFuturumによる企業を対象としたIoT関連の2017年の調査によると、企業の2/3がIoTを活用しており、いくつかの主要産業では、多くの投資があり、普及が広がっていることがわかります。 IOT Business Integration Index – 2017より引用 今後注目を続けていく必要はありますが、2018年はIoTにとって有望な軌道を示すことでしょう。その中でも、特に注目したい動向を紹介します。 1. 細分化が進む IoTが成長し続けるのと同様に分野も多様化するようになります。例えばですが、IoTを活用した監視・分析などのモニタリング分野では、工場モニタリングなどだけでなく、エネルギー供給、家畜、農業フィールド、車両の稼働状態、輸送状態、人々の健康など多岐にわたる活用が見出されています。 これまでのas-a-Service(aaS)プログラムとクラウドソリューションの成長で見てきたように、その細分化は、業界全体の互換性に対処するため、多くの企業にとっていくつかの課題を生み出します。 現に、日本の経済産業省の特許庁では、IoT関連技術の特許分類の細分化を2017年から行っています。 2.セキュリティとブロックチェーン IoTの細分化はシステムを複雑にさせ、ネットワークセキュリティの課題を増やすことに繋がります。多くのデバイスをインターネットに接続することにより発生する、データプライバシーに関する問題は業界最大の課題です。 また、インターネットがDDoS攻撃(サーバーの負荷を増加させ、サーバーのサービスを低下させる目的とした防御が難しいとされる攻撃)の影響を受けやすいということが証明されており、IoTもこれらの問題を免れることはできません。実際に2016年には、The New York Times、Netflix、Twitter、Paypalなどの企業がDDoS攻撃の被害を受けました。マルウェアに感染した多数のIoT機器からの攻撃が原因とされています。これらの企業は一時的にサービスを提供できなくなり、一部ユーザーからの信頼を失いました。IoTデバイスへの攻撃は壊滅的な影響を及ぼし、消費者の信頼を失うことに繋がります。 IoT技術者はこれらの問題に対し、ブロックチェーンの活用を通じて解決を試みています。 暗号通貨の台頭により登場したブロックチェーンは、より低コストでシームレスなトランザクションを実現できるため、フィンテック業界以外にも活用することができます。 ブロックチェーンは、IoTネットワーク内のあらゆるデータを暗号化し、データ流出などの問題に対して強力な保護を提供します。 3.ビッグデータとAI IoTを介して得られる膨大なデータを分析することは企業にとって役立ちます。消費者の生活圏にまで侵入し、より多くの貴重なデータを集められるようになります。これらはパーソナライゼーションされたマーケティングのための資産として扱われるようになるのです。 しかしそれに伴い、データを保存・活用するために、企業はコストの削減・ネットワークの使用を減らす努力が必要になります。すでにCiscoやDellなどの企業はコンピューティングインフラストラクチャの移行をリードしています。またGEやABBなどの産業用IoT企業も、従来のデータセンターよりも高度なインフラストラクチャの開発を続けています。 さらに、データの増加に伴い、それらを利用するための人工知能(AI)や機械学習も注目されます。機械学習を用いたデータ分析は2017年から注目されており、2018年にはさらに勢いが増すことになるでしょう。IoTによって作成されるデータは人間が管理するには大きすぎるため、AIの活用も必要になります。 まとめ 投資家からも注目を浴びているIoT分野ですが、ビジネスインサイダーによると、IoTソリューションの事業支出が2021年に6兆ドルに達すると予測されています。 IoTは企業にとって生産性の向上・コストの削減につながり、消費者にとっては生活の質の向上が期待されています。どの分野でも先を予測することが難しいですが、2018年はIoT分野の成長に期待が持てると言えるでしょう。

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